願いのカタチ

北海道は暖かい11月が続いています。

いつもの年なら厚めのコートやダウンを着込む寒さですが、

落ち葉をかさこそ踏みしめてのお散歩も薄手のアウターでOK。

七五三の子供たちも寒さに震えながら

晴れ着の上にパパのコートを被らずにすんだようです。

良かったね。

おめでとう。

落ち葉の絨毯が美しい北海道神宮までプチお散歩。

ついこの間まで境内のあちらこちらで

七五三の可愛らしい晴れ着姿を見かけたものでした。

11月は寒さが厳しくなるし、雪の心配もあるので、

北海道は1か月早く、10月中に七五三参りを済ませることが多いのですが、

今年は暖かいせいか、11月組がずいぶん増えたようです。

袴姿の男の子はたいていちょろちょろ走り回り、

赤やピンクの晴れ着姿の女の子はおすまし顔で

パパママにぴったりとはりついて。

昭和も平成も変わらぬほほえましい七五三の風景。

・・・ん?・・・変わっているではないか。

何ですか?この可愛らしすぎる絵馬は?

境内にずらりと掲げられた鈴なりの絵馬の中、ひときわ目立つカワイイ君たちは、

「リラツクマ」の絵馬であります。

見慣れた五角形のあの形ではなく、可愛いクマさんフェイス型。

リラックマのお顔がそのまま絵馬になっているのです。

なんてキュートな願いのカタチ。

見れば、お守りや破魔矢に並んで通常の絵馬の横に

「リラックマの絵馬 500円」とちゃんと販売されているではありませんか。

七五三用に子供たちに大人気のキャラクターを採用するあたり、

神様のマーケティングセンスはなかなか。

ほぼ100%の親子が「リラックマ、リラックマ~!」と叫ぶ子供に押し切られて

ご購入に至るのは間違いありません(笑)

この11月の隠れたヒット商品。

リラックマの絵馬。

その昔、神様の乗り物とされる神馬を奉納する代わりに

木の板に馬を描いて奉納したのが絵馬の始まり。

時代とともに願いの形も色々変わってきています。

こんなカワイイ絵馬もあれば、

個人情報保護のために願い事や住所氏名の部分に

ステッカーを貼ることができる絵馬もあるようです。

でも変わらないのは、健やかに育てとの親の願い。

朝露に濡れた落ち葉の絨毯を走り回る小さなキミ。

いつか大人になったとき

袴の下に長靴をはいて境内ではしゃいだ日のことを覚えているだろうか。

まだ若かった父と母がカメラと千歳飴を手に

そんなキミを見つめて微笑んでいたあの笑顔を思い出すだろうか。

精いっぱいの親心でキミの晴れ着を用意し、

自分たちは新婚当時の一張羅にアイロンを当てておめかししたことを。

今持てるもののすべてをキミに与えても構わない。

あの日の若かった父と母のまっすぐな願いのカタチ。

いつか、キミが誰かのお父さんになって

小さな手をひいて晩秋の七五三の境内を訪れたとき、

鈴なりの絵馬を見て、ふと思い出すのかもしれない。

リラックマの向こうにあった優しい二つの微笑みを。

キミが大人になった頃、

どんな絵馬があるんだろう。

でもどんなに見た目が変わっても

「すこやかに。この子の人生をすこやかに」。

願いのカタチは、変わらない。