日本一の底力
みちのくが笑った。
冷たい晩秋の雨に濡れながら、
みちのくのみんなが心の底から笑った。
Kスタ宮城のスタンドで、球場の外で、仮設住宅に集まって、
われらが楽天イーグルスの日本一を喜んだ。
おめでとう!
本当に本当におめでとう!
「見せましょう、東北の底力を」
震災後の復興試合で当時の嶋選手会長が誓ったメッセージ。
東北の底力は、日本一の底力だった。
選手、監督、東北の人々みんなの底力が結集してつかんだ日本一。
雨と汗と嬉し涙でぐちゃぐちゃになっているみんなの笑顔が何より嬉しい。
心の底からおめでとう。
指揮官、星野監督が9度、宙に舞いました。
厳しくておっかないけど、さらに器がひとまわり大きくなった名監督。
そんなチームの頑固おやじの胸に顔をうずめて号泣する
岩手出身の銀次選手の姿が印象的でした。
テレビ中継は大歓声で何もわかりませんでしたが、
「と~ちゃあ~ん!」と泣きじゃくる銀次選手の声が聞えるような気がしました。
よしよしと頭をなでるような監督の父親のような眼差し。
絶対的エースの田中投手が打たれた第6戦。
「負ける田中を見られて、良かった」と語る星野監督の言葉に
大きな大きな選手への愛を感じました。
「負けない」記録を背負う選手の重圧や重責を思い知るからこその言葉。
勝ち続けてくれたことへの感謝と、
「マー君も、人の子」なんだとでっかく受け止める度量の大きさ。
勝つ田中も、負ける田中も、みんな俺が引き受ける。
そんな懐の大きさを感じさせる言葉だと感じます。
今の星野監督の胸になら、私も顔をうずめてみたい(笑)。
勝ち続けて、最後に負けて、そして日本一をつかんだ田中投手。
その雄姿を日本で観られるのは、
もしかすると昨夜が最後だったかもしれません。
私たちも「負ける田中」を観られて幸せだった。
負けた後に、コンチクショー!と立ち上がる姿も観られたのだから。
日本一の底力をエネルギーに世界の夢舞台で思いきり暴れてほしいと思います。
メジャーで吠えるあなたの姿に、
みちのくのみんなは、また元気をもらえるはずだから。
誰かのために。
歯を食いしばって生きる誰かのために。
そのためだったら、
底のそのまた底から力が湧いてくる。
日本一の底力に、勇気をもらう。
(写真は)
東北が楽天カラーに燃えた昨日。
札幌ドームは赤と黒のチームカラーをバックに
真っ赤なベトナムの国旗に燃えた。
サッカーJ2 コンサドーレ札幌VS千葉戦。
今季から「ベトナムの英雄」レ・コン・ビン選手が札幌に加入。
この日は「ベトナムデー」と冠して、キックオフ直前、
スタンドに真っ赤に黄色い星が鮮やかなベトナム国旗の花が咲いた。
経済成長めざましい祖国のために、
札幌ドームのピッチを走り回る「英雄」の姿。
スポーツは人と国を一瞬にして近づけてくれる。

