実家カフェ
久しぶりに帰った故郷の実家。
すっかりきれいに新築の建物に建て替わったけれど、
何だか泣きたくなるような温もりは何も変わらなかった。
そんなカフェで焼きたてパンとコーヒーと
幸せな午後を過ごしました。
おとといの「さあ!トークだよ」のパン特集でご紹介したパンカフェ、
「プルマンベーカリー・バーンヤード」。
36年前から札幌の人々に愛されてきた街のパン屋さんが
「街の人が自慢したくなるようなお店を」と恩返しの思いで新たに開店した
パンのワンダーランドのようなパンカフェです。
子供からお年寄りまで誰もが美味しいと頬張れる
そんな気取らない優しい顔つきのパンが変わらず並んでいました。
建物は立派に新しくなったけど、温かい味わいは何も変わっていなくて、
しかも、いまだ進化し続けている。
凄いぞ。実家パンカフェ。
以前はご近所に小さな支店があって、
レーズンぎっしりのパンやチョコがたっぷり練り込まれたパンなど
柔らかく優しい菓子パンが大好きで、長く通っていたものです。
その後、研究熱心な職人肌のご主人は
テレビ番組のパン日本一チャンピオンを連続獲得したり、
物産展で一日3000個売れる名物カレーパンを生み出したりと、
全国区の人気パン屋さんとなって忙しい毎日を送っていましたが、
「やっぱり地元の人たちに喜んでもらいたい」の一念で
念願のパンカフェをこの9月に新規オープンしたのでした。
小さな花が飾られた居心地の良いテーブルで
温められたコロッケパンとクリームデニッシュと粒あんぱんを
夫婦で半分こしながら頬張っていると、
「いやあ、ようこそようこそ」
あの頃と同じ笑顔のご主人がパン焼きの手を休めて、やって来られました。
かたわらにはこれまた変わらない笑顔の奥様。
お互い、ちょっとずつ(笑)年は重ねたけど、
パン屋さんご夫婦と、ただのお客さんだった私たち夫婦。
懐かしい故郷の味のようなパンが素敵な再会を果たしてくれました。
ただいま。大好きだったパンたち。
ただいま。実家のようなパン屋さん。
そして、実家は進化し続ける。
自慢の生地を生かしたクリームチーズと余市リンゴのピザや
ゴボウや野菜がこぼれそうにはさまった総菜パン、
自家製リンゴのコンポートが隠されたクイニーアマンなどなど、
立派な新しい石窯工房で次々と新しいパンが焼きあげられ、
木の棚にちょっと誇らしげに並べられていく。
自分たちがコーヒー大好きだから、お客さんにも楽しんでほしいと
ドイツ製の焙煎機を店内に据え付け、
お好みの焙煎加減で煎りたて淹れたてのコーヒーが飲めるカフェ。
パンとコーヒーの香りが鼻をくすぐり、
食器とトングとお喋りの音が楽しく響く。
幸せをみんなで分け合う空間。
お隣のテーブルでは
2才くらいの小さな女の子が幼児用の椅子から身を乗り出して、
カボチャのモンブランのてっぺんに乗っかったチョコ飾りを
そう~っとちっちゃな指でつまもうとしている。
若いお父さんパン選びに夢中、
お母さんはお手ふきを取りにいったわずかな隙の、小さな甘い冒険。
彼女もいつか思い出すだろうか。
黄色いかぼちゃのケーキを食べた
おばあちゃんちみたいに温かだったパン屋さんのカフェのこと。
こっそり口に入れたチョコの甘さとパンの香り。
「おいしいね」。
心の中で彼女にウィンクして、目の前のコロッケパンをまた頬張る。
実家カフェ。
週末の居場所になりそうです。
(写真は)
コロッケパンと私。
衣さくさく、パンはふわふわ、お肉とジャガイモが溶けあった中身。
お腹ぺこぺこにして、2個は食べたいお総菜パン。
パリにはないだろ。ふふふ。
(なぜか勝ち誇った気分)



