夢みるマドレーヌ

輝く新米。

上質のハムやソーセージを提供するシャルキュトリー。

そしてプルーストが愛したお菓子マドレーヌ。

本日10月19日(土)にAIR-G’「野宮的コフレ」のテーマは

「本物の味」。

秋の深まりとともにじっくりと本物の味を堪能したくなる季節。

美味しい話を三つほどしましたが、

土曜日、ちょっと濃いめの紅茶にマドレーヌのティータイムもいいですね。

紅茶に浸したマドレーヌを口にした途端、

長い長い物語へと引き込まれていったのは「私」。

プルーストの大作「失われた時を求めて」の主人公です。

「私」はプルースト自身とされていますが、

それより気になるのが(笑)、「私」が食べたマドレーヌ。

どんなお菓子だったのでしょうか。

「帆立貝の筋の入った貝殻で型をとったように見えるお菓子」と

物語の中に描かれていますから、

お洒落なパティスリーに置いてある貝殻型のマドレーヌだったようです。

今や日本のお菓子屋さんもこのフランスの伝統的マドレーヌが主流ですが、

ふと懐かしい昭和のマドレーヌも恋しくなります。

丸いちょっと分厚い銀紙に包まれ、底がわずかに凹んでいて、

時にはそのくぼみに2,3粒のレーズンが沈んでいた昭和のマドレーヌ。

おめかしした化粧箱に詰め合わされて、お澄まし顔で店先に並んでいたっけ。

「お客さんが手土産に持ってきてくれるバターの匂いのお菓子」。

マドレーヌは食い意地のはったおかっぱ頭にはそう刷り込まれていました。

いつものおやつとは一段上のお洒落なお菓子。

プルーストもフランス文学も知らなかったけど、

「マドレーヌの誘惑」だけは舌が知っていた。

半分に割って、また半分に割って、

惜しみながら一口ずつ味わう癒悦のひととき。

「ああ、仏蘭西の味がする・・・」。

漢字で書けなくても、「仏蘭西」の文字が頭に浮かんだ(ような気がする)。

複雑でお洒落で一筋縄ではいかない魅力的な外国の街や風景。

まだ見ぬ未知なる世界への憧れをかきたてられたお菓子の味。

貝殻型のマドレーヌを紅茶に浸して食べた文豪は世紀の傑作を紡ぎ、

昭和の丸いマドレーヌにとろけたおかっぱ頭は

毎朝、こうして食いしん坊なブログを書いています。

似ているようで、だいぶ違う(笑)。

昔ながらのお菓子屋さんで探してみようか、昭和のマドレーヌ。

お隣にレモンケーキがいてくれれば完璧。

深まる秋のお茶時間にお似合いのお菓子だ。

(写真は)

最低気温が一ケタになっても

秋の台風に見舞われても

3度目の花盛りを迎えた小さな花々。

小さなベランダに大きな生命力の花が咲く。

あまりの健気さに、両手で抱きしめたくなる。