半径1キロの恋人

「お茶しよっか、どこ行く?」

「そうだ、イケメンがいるあのお店に行こう!」

なんて会話が街のどこかでふつうに交わされています。

スマホで街に生息するイケメンを一発検索できるアプリもあるし。

明日の活力の源(笑)は「街のイケメン」。

昨日24日(火)のUHB「さあ!トークだよ」のテーマは

「そうだ!イケメンに会いに行こう」

札幌市内のカフェや美容院などの「会いに行ける」イケメン店員を検索できる

いわゆるイケメンアプリや口コミをもとに、

トーク女子スタッフが厳しい(楽しい)選定会議を開催、

セレクトされた厳選イケメンが次から次と紹介されました。

「ロンブー敦似」「やんちゃな大沢たかお似」「往年のアイドル系」から

「上戸彩似」や「カトパン似」という女子似?のイケメンまで、

まあま、キレイなメンズ、可愛いメンズ、イケてるメンズ、

半径1~3キロ圏内を検索するだけでも、ヒットするものです。

「会いに行けるイケメン」に。

遠い世界の芸能人やスポーツ選手ではなく、

お茶したり、ワイン飲んだり、髪切りに行けば会える「半径1キロの恋人」。

番組に登場したイケメンたちのイケメン伝説がリアルだ。

「サーフィンから戻ってきたら車に女性の電話番号がはさまっていた」

「ね?イケメンでしょ?と、お客さんが女子友を連れてくる」

女性ターゲットのビジネスにイケメンはマストであることがよくわかる。

味・サービス・技術・店舗デザイン・立地はもちろんですが、

イケメンはもはや重要な営業戦略であります。

イケメンスタッフがいれば、口コミで、検索して、女子がわんさかやってくる?

そりゃあ、見た目も大きい。

が、番組のイケメンたち、見るからに性格も良さそうなのであります。

イケメンだからって、気取っていたり、すかしていたり、カッコつけていない。

笑顔が自然で、誰とでも気さくに会話ができ、イイ気持ちにさせてくれる感じ。

営業スキルも高そうなのである。

イケメンは愛されるコツを先天的に感覚的に知っているのか。

可愛い男の子は小さな頃から、相手がさらに笑顔になってくれる術を

自然に身につけていくのか、イケメンは心もイケメンに育つのか。

顔はイイけど性格は悪いメンズは、現代ではイケメンにカウントされない。

昔のドラマみたいな「悪魔のようなあなた」には、誰も惚れないのである。

どろどろの恋愛小説の生まれにくい時代なのだ。

昔、学生時代に読んだ小説の中にこんな表現がありました。

「私の心の中で王冠をかぶっている男」。

優しくもなく、自分勝手で、淋しい切ない思いばかりさせられているのに、

好きで好きでたまらない、自分の心の中で、王冠をかぶり、君臨する男。

損得とか条件とか考えられない不器用で制御不能な恋愛

イケメンアプリもスマホもメールもなかったあの頃、

妙に心をわしづかみにされたなぁ。

「道に倒れて誰かの名を呼び続けたことがありますか」

中島みゆきの歌詞にこっそりうなづく女性は少なくなかったはずだ。

カッコ悪いむき出しの恋愛が街にあふれていた時代。

イケメンはまだ街に生息していなかった。

「いらっしゃいませ」

「また、来て下さいね」

半径1キロの恋人はいつも爽やかだ。いつも笑顔だ。

どろどろの恋愛には絶対ならない。お茶かお料理かきれいな髪型が目的だから。

だから安心して、いくばくかのお金を払って(笑)また会いに行く(笑)

(写真は)

那覇のディープな裏通り「竜宮通り」の一角。

これまたディープな山羊料理を食べさせる古い店。

亜熱帯の夏草の茂みには不器用で行き場のない恋愛の匂いがたちこめる。

沖縄が舞台のしょうもないイケメンが出てくる桐野夏生の小説があったなぁ。

しょうもなさが妙に愛くるしくて悲しかったなぁ。

太陽が明るすぎるから、影が際立つ。

小説家が魅かれる街だ。