あらしの夜に
扇風機をしまわないでおいて良かった。
昨日の土曜日の蒸し暑さといったら。
そして今朝もじっとりと湿った波乱含みの雲から
たった今、激しい雨が降り出してきました。
日本列島に接近中の台風18号の影響でしょうか。
大雨に要警戒、要注意と天気予報が呼びかけています。
大きな被害にならないよう祈るばかり。
9月の連休と台風はセットでやってくることが本当に多い。
台風の通り道である沖縄では、さぞや毎年毎年大変かと思いますが、
「ううん、そうでもないさぁ」そんな声を良く聞きます。
確かに暴風、大雨の規模は「はんぱない」けど、
「家から出ないからねー」。
基本、沖縄の人は台風が近づいたら、家から出ない。
無駄に出歩かない、まだ大丈夫だろなんて、たかをくくらない。
ふだんバラバラの家族も、台風の時だけは結果的に全員集合となる。
買い物に行けなくても、常備している食材で食事を作る。
麩チャンプルー、ソーミンイリチー(ソーメン炒め)、
ヒラヤーチー(沖縄風お好み焼き)・・・
どれも麩やソーメンやポーク缶詰やツナ缶やサバ缶、買い置きの材料でできる。
そう、沖縄料理とは、基本、台風をしのぐために発達した料理文化でもあるのだ。
亜熱帯の気候が生んだ、暮らしの知恵料理なのだ。
外は暴風が吹き荒れ、大雨が赤瓦の屋根を叩き、停電で真っ暗になっても
ろうそくを灯した食卓にみんなが集まって、
「早く台風、過ぎればいいね」とチャンプルーをつつく。
沖縄の人にとって、台風は恐ろしい自然災害であるけれども
ある意味、家族団欒の思い出とも直結しているという。
外の嵐に、みんなで結束して、耐える。
あらしの夜は、団欒の夜でもある。
小さな頃、室蘭にも大きな台風が来た。
天気図も台風何号かもわからない幼子には、
唸る暴風、屋根が破れるような雨の音が恐ろしくて恐ろしくて、
この世の終わりじゃないかと思うくらい怖かった。
小さな家に、あの日も家族全員がいた。
「おうちが、吹っ飛んじゃうよ・・・」
半泣きの私に、普段あまり喋らない父が、きっぱり言った。
「大丈夫だ。お父さんがついてる」。
あらしの夜に誰かに守られていた記憶。
それは幼子にとって、人生の土台になっていくほどに、大切なものだ。
誰かに大切にされた記憶は
誰かを大切に守ろうという本能につながっていく。
厳しい自然と折り合いつけながら、学んできた人の営みだ。
チャンプルーは
団欒の味がする。
(写真は)
我が家の年中定番「ゴーヤーチャンプルー」。
読谷村北窯の大皿にたっぷりと。
黴をつけない血合抜きの沖縄鰹節が決め手。
私の血は、チャンプルーでできてる(笑)

