マンマのカルボナーラ
自慢じゃないが、
私のカルボナーラは自慢だ(笑)。
某イタリアンリストランテの有名シェフのレシピ本に従い、
生クリームや牛乳は使わず、
卵とパルミジャーノチーズだけで仕上げる一皿。
潔さと乳化がポイントです。
ベーコンを(あればパンチェッタ)オリーブオイルでじわじわと焼きつけ、
脂を十分に引き出しだところに、
白ワイン(なければ日本酒でも)とパスタの茹で汁も少々加え、
フライパンをゆすり、オイルと旨みをとろりと乳化させます。
美味しいイタリアンはこの乳化が命。
あとは火を止めたフライパンに茹でたてのパスタを加え、
あらかじめ溶いておいた卵とチーズをざっと素早く半熟状に和えたら
絶品カルボナーラの出来上がり。
黒粒胡椒は絶対挽きたてね♪
昨夜、帰省中の息子のリクエストで
この「マンマのカルボナーラ」を自信満々に作りました。
「受験勉強中もよく作らされたな~」なんて思い出しながら、
いつもの手順で潔く、乳化も忘れず、手早く仕上げます。
大き目のお皿にトラットリアっぽく、パスタを高く巻きながら盛り付けて、
ガリガリと力強く黒胡椒を挽いて、さあ、召し上がれ。
「どう?美味しい?」
よせばいいのに(笑)愛情の確認を止められない母。
「お?お~、おお、旨いよ」
家では「あ~」と「お~」しか言わない息子(笑)がそれなりの称賛を口にする。
「でしょ?完璧なカルボナーラだよね~」
自画自賛が止まらない母。
「・・・」
無言でパスタを口に運ぶ息子。
「ねえ、ちょっと味見させて」
息子のフォークを奪い取り、一口。
「あれ?しょっぱくない?」
いや、あきらかにしょっぱい。
「ん?うん、まあまあ、しょっぱいっちゃ、しょっぱいけど、許容範囲。
パスタ茹でるとき、塩入れ過ぎた?」
なんと鋭いご指摘。
「あ、ああ・・・そうかも・・・」
母、しょんぼり。
パスタを茹でるときは塩は思いきり。
海水くらいの塩分濃度で茹でるべし。というのがプロのセオリーですが、
主婦のパスタ作りは、塩たっぷりもちょっともったいない気がして
ちょい多めの塩で茹でるくらいが関の山。
しかし、昨夜はたまに帰ってきた息子に久しぶりに作る一皿。
気合と一緒に塩もたっぷり入れて、
海水並みのパスタ鍋で茹でていたのでした。
その塩分をマイナスしないでいつもの手順でぱぱっと仕上げに塩を。
そりゃあ、しょっぱくもなるでしょ。
母、反省。
しょっぱいカルボナーラ。
何だか母の愛によく似てる。
海のごとく深く大きい愛情は時として子供を溺れさせることもある。
「うるさい」
「ほっといてくれ」
「干渉するな」
思春期や反抗期の言葉は、母の愛にはあっぷあっぷだ!という叫びかもしれない。
いつしかそんな愛情の海から巣立ち、出航した息子が久しぶりに港に戻ってきた。
嬉しくて、さらに塩を足す母。
もう海水だけで十分なのに、
ちゃんと味見もせずに、まだ足りないんじゃないかと、おせっかいな塩を足す。
母親というのは愚かな生き物です。
そんな愛情過剰のしょっぱいカルボナーラなのに、
文句も言わずに「おお、旨い」と黙々食べる息子。
母より、ちょっと、大人に見えた。
もうすぐ9月。
発展途上の息子もまた外の海に漕ぎ出します。
今度帰ってくるときは
パスタはちゃんと味見しよう。
(写真は)
カルボーラの前日のお外ごはん。
いつもの隠れ家沖縄料理屋さんの前菜六点盛り。
青パパイヤのイリチー(炒め物)が爽やか。
ほんのりカレー粉が利いていて、青春イリチーだ。
そうそう、余談ですが、
さっき、「きせいちゅうのむすこ」と打って変換したら、
「寄生虫の息子」と出た。
笑った。

