窓辺のアイスクリーム

そんなに速くなくたっていい、

本数も多くなくたっていい、

何より安全を。

昨日7月29日UHB「さあ!トークだよ」の特集は

「JRで参りました・・・!」

度重なる事故・トラブルに週末からの大雨も加わり、

夏の観光シーズン、道民、道外客ともに大きな影響が出ています。

街中で聞いた声の中で印象的だったのが冒頭の言葉。

安全を前提に速さや本数を決めてほしい。

切実な利用者の本音であります。

番組では北海道特有のお家の事情も取り上げました。

元々電化率の低い道内は、特急ディーゼルが都市間交通をけん引していましたが、

エンジンも車体もご老体が多くなる一方、広大な大地をより早く走る使命がある。

分割民営化に伴う合理化などで、

整備などの技術継承がうまくいっていない側面も。

結果、車体に負荷がかかっているとも考えられるのです。

この緊急事態にJR北海道は減便・減速を実施し、

さらにJR東日本に技術協力を仰ぎ、

事故原因の解明、再発防止、安全運行をめざしたいとしています。

確かに列車は速くなりました。

飛行機や都市間高速バスとの競合、より速くを、よりサービス向上をめざし、

北の大地を突っ走ってきた列車。

札幌ー函館間は3時間、帯広まで2時間半、各都市間がぐっと近くなりました。

高速化の恩恵を私たちも受け、暮らしも便利になり、

北海道の活性化にもずいぶん役立ってきたのは間違いありません。

でも、安全がスピードに置いていかれるのは怖い。

もういいんだよ、そんなに速くなくてもいいから、

そんなにいっぱい走らせなくていいから、

ちゃんと原因を見つけて、手術して、健やかな体になっておくれよ。

でないと、安心して乗れないよ。

そう感じている道民は少なくないようです。

電化どころか、シュッシュポッポのSLが主役の時代。

毎年夏、室蘭から汽車に乗って

母親の実家があった早来まで行き、夏休みを過ごしました。

早来駅まであと三つ、最後の大きな駅、苫小牧に着くと

必ず母親が駅売りのアイスクリームを買ってくれました。

「苫小牧のアイスクリーム」

夏休みの旅の何よりのお楽しみ。

駅弁のよりも小ぶりな白い木の箱を首から下げたおじさんに必死に手を振る。

「アイスクリーム、くださぁ~い!」

ホームから車窓越しに渡された雪印アイスクリームのカップは

真っ白い霜に覆われてカチンコチンだ。

添えられるのは、もちろん木の平たいスプーン。

歯が立つわけがない。

ピーーーッ

車掌さんの笛とともに、ゴットンゴットン、重い車体が動き出す。

落っこちないように、冷たいふたにそっと手を添えながら、

小さかった私は、窓のふちに、カップを置く。

「苫小牧のアイスクリーム」が、

カップの縁からま~るく溶けて食べ頃になるのを、

車窓から見える田園風景を眺めながら、待つのです。

緑の牧草に赤いサイロ、白黒の乳牛たちがのんびり草をはむ。

あたしも、早く、アイスをはみたい(笑)

はやる気持ちを抑えながら、

窓辺に置いたカチンコチンのアイスクリームが溶けるのを待ったあの時間。

今思えば、なんと贅沢な時間だったろうか。

高速化、民営化、他者競合、経営効率化、

そんな言葉などまったく知らなかった。

ただ、窓辺のアイスクリームが食べごろに溶けるのを待てる時間があった。

単なるノスタルジーで解決などできないのはわかっています。

でも、あの震災があって、

そして、無理を重ねたような事故やトラブルが、列車に限らず頻発していて、

いいんだろうか・・・。

より速く、より大きく、より明るく、と突っ走るままで、

ほんとにいいんだろうか。

少しだけ立ち止まって、じっくり考えた方がいいんじゃないだろうか。

そう皮膚感覚で感じたりする。

苫小牧を過ぎて、次の駅に近づく頃、

窓辺のアイスクリームが食べごろになってきた。

歯が立たなかったはずの

華奢な木のスプーンが音もなく、

ほど良い柔らかさのアイスクリームの海にささっていく。

あの夏の日のアイスクリームは

人生最高のプレミアムリッチな味がした。

☆本日7月30日(火)のUHB「さあ!とーくだよ」のテーマは

「ホームセンターでお宝発見!」

広い、涼しい、何でもある!夏はホームサンターに行こう!

プロ御用達のフライパンは・・・実は某ホームセンターにあった!?

ぜひ、ご覧下さいね♪

(写真は)

南国のひとやすみ。

那覇牧志公設市場の2階の琉球甘味処で。

ドラゴンフルーツの生ジュースと

紅芋くずもちと黒糖アイスクリーム。

外の気温は33度。

溶けるを待つ時間は必要ない(笑)

さあ、溶けないうちに、早くお食べ。