いちゃりばちょーでーの島

いちゃりばちょーでー。

「行きあえば兄弟」という意味の沖縄の言葉。

本日7月13日(土)のAIR-G’「野宮的コフレ」は

そんなリアルフェイスブックの島、

沖縄夏バカンスをテーマにお送りしました。

沖縄の離島に行ってみたいけど、

滞在日程もそんなに長くないし・・・とあきらめることはありません。

本当から陸続き、ドライブで行ける島がたくさんあります。

今帰仁村の古宇利大橋からは古宇利島へ、

本部町の瀬底大橋から瀬底島へ、

うるま市の海中道路からは一気に

浜比嘉島、平安座島、宮城島、伊計島と四つの離島に渡ることもできます。

どれも抜群の眺望、

海の上を飛んでるようなドライブが楽しめます。

そしてもうひとつ、本島南部、南城市安佐真港から

高速船かフェリーでエメラルドブルーの海を20分、

日帰りで行けるおすすめの離島があります。

神の島「久高島」。

近いけれど、沖縄の人にとっても特別な島です。

海の向こうの楽園「ニライカナイ」から

始祖神アマミキヨが降り立って、この島を作り、

琉球ができたと伝えられています。

琉球王朝時代には国王が聞得大君を伴って島に渡り、礼拝を行い、

のちには、対岸にある本島最高の聖地「斎場御嶽」からこの島を拝みました。

島全体が聖域。

まさに神の島なのです。

周囲8キロ、人口270人ほどの平坦な小さな島は

真っ白い砂浜と緑をたたえる美しい景観が広がっています。

土地は神様からお借りしたもの。

誰のものでもない、神聖な濃密な緑の空間を

島の人たちは大切に守り続けていました。

久高島を訪れるにはこの島への理解とリスペクトは欠かせません。

小石ひとつ、草木一本持ち帰ることは禁じられていますし、

島全体が神の領域、みだりに立ち入ることもはばかれます。

そんな久高島を守るために立ち上げられたNPO法人「久高島振興会」が

島の人による貴重な説明を聞きながら島内をまわる

予約制のガイドツアーを行っています。

私も今回、お願いしました。

久高島の多分有名人らしき(笑)ガイドの内間豊さんは

伝統のクバ笠をかぶり日焼けしたたくましい60代。

深い知識とスケールの大きい歴史観を踏まえて

大切なことをユーモラスに時にエッチに(笑)伝える

その話術に引き込まれました。

久高人のルーツは

メソポタミアあたりから海沿いに渡ってきたアーリア系らしきこと、

島にはアーリア系言語に近い言葉が残っていること、

小さな島が生きていくための自然な信仰として

母なる神、母神信仰に基づく女性中心の祭祀が根付き、

男たちは祈る女たちを経済的に支えるために海に出て漁をしてきたこと、

さらに神に仕える女たちの糧として、女性でも可能なイラブー(ウミヘビ)漁を

琉球国王がこの島だけの特権として認めたこと、

たくさんの神様がいるが、久高島にはお金の神様だけはいないことなどなど。

へ~、ほ~、ふ~ん、なるほどなるほど。

生きた勉強とはまさにこのことです。

学ぶとはこういう快感を言うのですね。

2時間のガイドがあっという間に終わり、

まだまだ聞きたいこと、知りたいことがさらに増えて、

また、久高島に来なくてはいけないと、強く思いました。

神の島が、呼んでいる。

久高島で最も神聖な場所「フボー御嶽」。

緑濃い亜熱帯の密林の中に、

かすかな道らしきものがさらに森の奥へと伸びています。、

手前の琉球石灰岩のところまでしか立ち入ることはできません。

許されるのは神の人となった島の女たちだけ。

鳥居も神殿も偶像もない、何にもない、緑の神聖な空間。

その手前に佇んでいるだけで、

息をするのも忘れるような、時空が一瞬止まったような、

葉ずれや鳥や蝉の声も聞こえなくなるような、

そんな不思議な感覚になりました。

心地よいフリーズ。

何もないけど、ここには何かある。

祈る人を両手で受け止めてくれる、何かがある。

久高島。

民族学的にも宗教学的にも注目されている

12年に一度行われる久高島の秘祭「イザイホー」。

島の30歳から41歳の女性が神の人となるため

6日間に渡って行われるものですが、

後継者不足で1978年を最後に途絶えていました。

神の島とはいえ、高齢化、過疎化の波は避けて通れない。

しかし、最近、島の外から縁あって嫁いだり、移住してくる若い女性がいたり、

海村留学生受け入れて、活性化に取り組む中で

この「イザイホー」復活に向けての話し合いが始まっているそうです。

12年に一度、午年に行われる「イザイホー」、

来年がその午年、

「13年後の午年に「イザイホー」復活するかもしれません」。

ガイドツアーの最後に内間さんは確かにそう言い切りました。

これって、ちょっと、民俗学的に沖縄的に、特ダネかもしれません。

どうしたら、島で最も大切な「イザイホー」を復活させることができるか。

対象者を島の女性に限らず、島外に広げることさえ視野に、

島の人たちがこれから数年かけて話し合い、復活を目指すそうです。

そうえいば京都の舞妓さんだって、

京都出身者以外に門戸を広げて、伝統文化を維持しています。

小さな島だからこそ、大胆で開かれた発想が必要なのかもしれない。

太古の昔、

海沿いにメソポタミアから渡ってきたと伝えられる島の末裔たち、

神の島のこれからに目が離せません。

(写真は)

久高島最高のパワースポット「フボー御嶽」。

「ここには何もない。

清潔なほど何もない空間だ」

かつて岡本太郎が天啓を受けた特別な空間が、

この琉球石灰岩の向こうに広がっている。

禁忌を乗り越え、呼ばれて、聖域に立ち入った芸術家。

何を、見たのだろうか。

天国までアポとって、インタビューしたい。